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石化・凍結などの所謂『固め系』の話題について、アレコレ呟きながらじわりじわりと更新されるブログです。脱不定期更新を目指してSSにも現在挑戦中。

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ICO 霧の城(2)


ICO  -霧の城-ICO -霧の城-
(2004/06/16)
宮部 みゆき

商品詳細を見る

引き続きまして『ICO ‐霧の城‐』のご紹介です。
前回はちょっと理屈っぽい所があちこちありましたので、今回はもうちょっと肩からふんわり力を抜いて
キーパーソンの一人である『女王』の言動に注目して本書をご紹介してみますね。

ゲーム中でも強大な石化の力を操る霧の城の女王ですが、本書では石化に関する矜持を持つ人物として描写されています。
またこの女王の言動が良いんですよね。
石化フェチなら一度は夢見る事を実践していたり、石化に対する独自の美学を構築していたり……
同好の方なら、どこか一か所は共感できそうな人物なんですよ(笑)

宜しければ追記からご覧下さいませ。


●女王の秘密の場所

霧の城がまだ人の住む場所であった頃から、女王は闇の魔神に属する力――石化の力を度々行使していた事が伺えます。
不興を買った者、女王に将来仇を為すと判断された者は勿論のこと、どう考えても無害そうな人物まで石化している辺りから考えると
処刑的なニュアンスに限らず、単純にコレクション感覚で石化させていたと考えられなくもないんですね。

勇壮な石像が欲しければ戦士を石化し、気品のある石像を眺めたければ婦人を石化する。
他人の命でさえ自分の所有物のように気まぐれに扱う。正に石化能力を持つ悪役の鑑の様な姿勢です。
……でも、女性キャラを石化したくてRPGを買うという自分の行動も、根っ子の所ではこの女王とあんまり大差が無いんですよね。
道理で女王にシンパシーを感じる訳です(笑)

さて、そうして理想の石像を蒐集してきた女王。
コレクションには当然置き場所が必要になります。

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 ヨルダは首をめぐらせ、やがてそれだけでは足りなくなって、ぐるりと身体を一周させて、立ち並ぶ石像の群を眺めた。数え切れない。百体?いや二百体を超えているか。
 広場はすり鉢状になっており、ヨルダは今その中心にいた。石像群を眺めつつ、石像群からも見降ろされている。視線を感じる。それほどに、ひとつひとつが生々しく精巧に造られているのである
(248頁)

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墓所に立ち並ぶ墓石の下、女王はそこに結界を作って石像を保管していたのでした。
闘技場にも匹敵する広さを持つすり鉢状の空間。その壁面一杯に石像を飾るというダイナミックな陳列の仕方は
女王ならではの豪気さと美意識に満ち溢れています。
更に床はエレベーターの様に昇降する仕組みとなっており、無数の石像をゆっくりと堪能できるという徹底ぶり。
石化した人物が『墓石の下に置かれている』という強烈な皮肉もポイント高いです。
石と化した時点で、既に現世の時間からは切り離されている訳ですしね。

それにしても200体の石像。
これまで私も石化目当てで色々とゲームを遊んで来た訳ですので、石化済みのキャラもそれぐらいいるはずなんですよね。
古今東西の女性キャラの石像にぐるりと囲まれ、石の瞳で見下ろされる生活……妄想を思いっきり逞しくすれば、こういう光景を明晰夢で見られたりするんでしょうか(笑)

墓石の下の隠し通路を『永遠へと通じる道への入り口』と表現したり、この広間を『最も美しい秘密の場所』とヨルダに向かって誇らしげに語って見せる女王。
その堂々とした姿、ちょっと憧れなくもないですねー。

あと個人的にツボだったのが、石像群を女王に見せられたヨルダの感想。
この時点ではヨルダはまだ真実を知らないので、こういう無邪気なコメントをしてしまっています。

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「なんて見事な彫刻でしょう。お母さま、いったい誰に命じてこれを作らせたのですか。宮廷美術師たちのなかに、こんな見事な腕を持つ彫刻家がいるなんて、今までまったく存じませんでした」(249頁)

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精巧極まる石像がそれも無数に存在する。そんな光景を見た時の、物凄く素直なリアクションですよね。
直後にヨルダは、自分に良くしてくれた女官が恋人もろとも石化させられている事を女王に知らされて愕然とするのですが
こういう常識人としての反応が事前にあると、石化の特異性や悲劇性がぐっと引き立つと思います。

●石化の美学(女王編)

さて、本書でいちばんご紹介したかったのがこちら。女王自らが語る石化の美学です。
無駄の無い語り口は優美にして雄弁。私の前置きも無用です。ともあれ一度ご覧下さいませ。

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「石は美しい。命なき姿は美しい。究極の支配の形は美しい」」(460頁)

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悪役の台詞なので、100%同意するのは色々と倫理的にマズイとは思うのですが(笑)
この短い台詞の中に、石化の魅力がギュッと凝縮されている様に感じられるのです。
石化を解かない限り、被害者の時間は停止したまま。その一瞬の姿を心行くまで鑑賞する事ができる。
こういう点に惹かれている方は多いかと思いますが、いかがでしょうか。

●最後に

前回と今回とで石化に関する記述について、掻い摘んでご紹介させて頂きましたが
本書はゲームの内容を膨らませたダークファンタジーとしても非常に読みごたえのある一冊です。
女王の手によって石化させられた無数の人々に想いを馳せつつ、一つの城の栄光と終焉の物語をご堪能してみてはいかがでしょうか。
最後に先日発売された文庫版へのリンクを張って、記事の締めとさせて頂きますね。

ICO-霧の城-(上) (講談社文庫)ICO-霧の城-(上) (講談社文庫)
(2010/11/12)
宮部 みゆき

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ICO-霧の城-(下) (講談社文庫)ICO-霧の城-(下) (講談社文庫)
(2010/11/12)
宮部 みゆき

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コメント

『女性キャラを石化したくてRPGを買うという自分の行動も、根っ子の所ではこの女王とあんまり大差が無いんですよね。』

自分も、女性キャラの石化・凍結を見たくてゲームを買ってしまった性質です(笑
また、それが目当ての所為で永遠とゲームがクリアーできないという状況にも陥っています(笑

---

霧の城の女王恐るべし・・・
この業界の石化フェチ者の代表といっても過言でない言いぶり。いやはや感服です。

『究極の支配の形は美しい』
この的を射た表現は思わずうなずいてしまいました。

『命なき姿は美しい』
この一言は自分の感性とは違う方向でしたので、女王に対して少々恐怖と悲しさをいただきました。命を奪ってしまうというところに。

自分にとっての石化させるというのは、SMプレイみたく受け攻め的なプレイのシチュエーションとしてあればなというような感覚なものですので。
「う、うごけなーい」とかそんな状況をニヤニヤしながらたのしm(ry

・・・詰まるところ、石化しても死ぬことはなく、元の状態にも戻れ、何より生きているのを自分は望むので、命を奪う形となる石化は自分は苦手で、先のように感じた次第です。

---

兎にも角にも、この女王は石化フェチな人々の女王とも言えそうですね(笑
長文失礼しました。
  1. 2010/12/20(月) 01:39:43 |
  2. URL |
  3. 石眼(いしめ) #-
  4. [ 編集 ]

コメントありがとうございます。
雑多な書き散らかしではありますが、こうしてコメントを頂けるとやっぱり励みになりますね(笑)
お返事が遅れて恐縮ですが、お返事書かせて頂きますね。

>自分も、女性キャラの石化・凍結を見たくてゲームを買ってしまった性質です(笑

おお、ここにも石化ゲーマーの方がお一人……!
目当てのキャラが良い具合に固まった時の達成感、本当に得難い物がありますよね。
宜しければ、これまでのプレイ戦歴もお聞かせ頂けると嬉しいです(笑)

>命を奪う形となる石化

実を言いますと、私も命を奪うのはフィクションとは言えども流石に気の毒になってしまいます。
解除時の「あ、あれっ!?」みたいなリアクションもツボなクチなんですね。
それに何より、元に戻せた方が『また石化できる』楽しみがありますから……これ、凄く重要だと思うのです(笑)

この女王は闇の魔神の申し子という事もあって、その辺りが本当にえげつないんですよね。
お気に入りの石像は墓場の下に飾り、そうでない者は野ざらしにして風化する運命を辿らせる……
これを『究極の支配』と呼ぶ辺りに、歪んだ思考が滲み出ているように思います。
とは言え、石化能力を持つ『悪役』としての存在感は凄まじい物がありましたので、一度ご紹介したかったんですよ。
拙文ではありましたが、石眼さんの考察のお手伝いができたみたいで嬉しかったです(笑)

石化した娘さんを弄り倒して遊ぶ、というのは私もアレコレ妄想してみたい所です。
また、宜しければお話をお聞かせ下さいね。
  1. 2010/12/27(月) 00:04:08 |
  2. URL |
  3. みつくりざめ #halAVcVc
  4. [ 編集 ]

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