■トラウマイスタ『第22話 カミーユと分別盛り』■
著者……中山敦支
出版社…小学館
掲載誌……週刊少年サンデー 2008年12月10日号(52)
●三大少年誌とグランドスラム状態
ジャンプのONE PIECEにマガジンのFAIRY TAILと、ここ一ヶ月の間は大手少年誌2誌が揃って石化ネタを披露すると言う非常に楽しい事になってました。
石化ネタ自体が『見つかればラッキー』と考えている私にとって、この一ヶ月はある意味で夢のような一時!
毎週決まった曜日、それも週二日で確実に石化ネタが見られるなんて、そうそう経験できるものでは無いと思います(笑)
その夢のような一時も取りあえずは一区切りが付きまして、少年誌を継続購入するのもしばらくはお休みだと思っていたのですが……
まさか『二度ある事は三度ある』状態になるとは予想だにしていませんでした。
ジャンプ、マガジンに続き、サンデーも08年秋の固めネタ戦線に参入です。
……とは言いましても、少年誌からは遠ざかっていた身でして、今回の作品は輪を掛けて詳しくありません。
重ね重ねではありますが、事実誤認等が見つかりましたらご指摘の程をお願い致します(笑)
●登場人物とお姉さん
チャンドラ社幹部・カミーユの使役する液体金属製のアートマン『分別盛り』
トラックを瞬く間に鉄塊に変える豪腕と、対象の体内に潜り込み内部から硬化させてしまうと言う能力を備えた強敵です。
血の涙を流すマリア像、但し筋骨隆々みたいなデザインが中々強烈でした。
実はインパクトに関してはカミーユさんの方が強烈だったりするんですが、それはそれで……
対する今回の被害者は『裏切り者』スジャータさん。
この作品自体は初見なのですが、きりっとした眼差しも可愛い、面倒見の良さそうなお姉さんというのが正直な印象でした。
血反吐に沈みながらでもニヤリと不適に笑みを作る辺りとか、実に私好みなんですよー。カッコ良い!
出番の大半がボッコボコにされてる場面だったりするんですが、やっぱりそれはそれで(笑)
●硬化概要と内部鋳造
白と黒の強いコントラストで金属の質感が表現されています。
表現自体はシンプルな印象を受けますが、液体金属のギラギラとした艶かしい輝きは十分表現されているとも思います。
頬辺りに入れられた陰影が何だか色っぽい。
大きく見開いた瞳から涙を零す女性像。
硬化を始めたスジャータさんを表現するとこんな感じになります。
目は瞳の消えた状態で描かれているのですが、この作品ぐらいに目を大きく描く画風だと更に良く映えますね。
涙の表現は一風変わっていて面白いんですよ。
直接的な加害者である『分別盛り』は液体金属で出来ている為か、スジャータさんの身体は固まっても涙だけは流れ続けているのです。
目が硬化する前に溢れた涙が流れているのか、それとも液体金属の涙を流しているのか……
固める材質が材質だけに、アレコレ妄想するのが楽しいですね。
更に秀逸なのはカミーユさんによる『分別盛り』の説明台詞。
以下に引用致しますので、雰囲気をお楽しみ頂ければ幸いです(笑)
「これは、お前の食道・胃・腸そして全ての血管に流れ込み、冷えて固まる!」
「お前の体は内側から鋳造されるのよ! この彫刻は社長へのいいプレゼントになるわ!」
特に下の台詞が素晴らしすぎます。
『鋳造』という単語から醸しだされる『解除不能』感もさる事ながら、生きた人間の成れの果てである『彫刻』を他人にプレゼントするというこの背徳感!
悪党はこれぐらい倫理からかけ離れた方が魅力的だ、という良い見本だと思います。勉強になりました……!
●肉体言語と血の大河
・何かの破片で滅多刺し
・血が噴き出るほど強烈な顔面殴打
・さっきの破片をゴリゴリと身体に捻じ込む
・『分別盛り』の一気飲みを強制←固めはここから
・腹部をやっぱり滅多蹴り
スジャータさんの身体が固まる前に、うっかり殺しかねないカミーユさんの勢いが楽しすぎます(笑)
驚くべきは、これらの凶行がほぼ一頁ごとに描かれているという事。
固め的な見所は確かにあるのですが、それ以上にリョナ的な意味での面白さの方が上回っているようにも思えます。
実際私も、あっという間に無力化されてしまうスジャータさんの姿は美味しいと思いましたから(笑)
●総括
癖がありながらも可愛らしい絵柄に反して、金属化の描写やそこに到るまでの過程はとにかくバイオレンス。
とにかく楽しそうに蹂躙するカミーユさんと、やたら生々しい表情で苦悶するスジャータさん。見れば見るほど味わいが出て来ます。
自分自身は特に強いリョナ嗜好は無いかなと思っていたのですが、破片を身体に捻じ込まれ、声も出せずに悶絶するスジャータさんには何やらグッと来る物が!
……新しい嗜好が見えてきた気がしました(笑)
固めとリョナ。この二つの嗜好を併せてお持ちの方には、是非ともお勧めしたい逸品です。
以上、トラウマイスタの雑感でした。
